2009年11月5日木曜日

愛はさだめ、さだめは死


★★★★★

ジェイムズ・ティプトリー・Jr著


男にジェーン・オースティンの小説が書けるとは思えないし、女にアーネスト・ヘミングウェイの小説が書けるとも思えない。それとおなじ意味で、ジェイムズ・ティプトリー作品の筆者は男性だと、わたしは信じている。
—ロバート・シルヴァーバーグ


ジェイムズ・ティプトリー・Jrは、女性である

そして、この作者、経歴が凄まじい。

この作品は、短編集で、

他星異種の生物の物語が多い。
  • すべての種類のイエス
  • 楽園の乳
  • そしてわたしは失われた道をたどり、この場所を見いだした
  • エイン博士の最後の旅行
  • アンバージャック
  • 乙女に映しておぼろげに
  • 接続された女
  • 恐竜の鼻は夜ひらく
  • 男たちの知らない女
  • 断層
  • 愛はさだめ、さだめは死
  • 最後の午後に
特筆すべきは、表題の愛はさだめ、さだめは死。

泣ける。すげぇ泣ける。

蜘蛛に似たエイリアンの愛と本能の物語。


「人間というのは、夢を実現させて、その夢に殺される 動物だ」—最後の午後に